2020年明けましておめでとうございます。

アウェアはDVと性差別のない社会を目指して2020年も前に進みます。

今年の活動の柱は4つです。

1)DV加害者プログラム
2)被害女性プログラム
3)デートDV防止教育
4)学びの場の提供

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1)DV加害者プログラム

子どもがDV加害者である父親に殺される事件が続いたことで、DV加害者をなんとかしなければとか、DVを抑えれば虐待を減らせる、などの意識が警察や行政に広がりました。国(内閣府)も動き出し、行政から民間に業務委託する道の模索を始めたようですが、なにがいつ始まるか、今のところわかりません。

それで、アウェアがこれからすることは次の4つです。

1.加害者グループの継続

2.加害者プログラム実施者養成の継続

加害者プログラム研修に向けての基礎講座4日間(デートDV防止プログラム・ファシリテーター養成講座6日間と兼ねる)を開催します。日程は追って、ホームページに掲載します。

3.虐待親に対応するプログラムの開発と実施者の養成

今、社会では子どもを虐待する親への対応が喫緊の課題となっています。アウェアでは、虐待親に対応するプログラムを開発中です。そのプログラムの基になっているのが、米国カリフォルニア州のDV加害者に関する法律を作った市民の草の根運動のリーダーで、加害者プログラムのファシリテーターとしても草分けの存在であるアリス・ラビオレットさんが、作ったプログラムです。

アウェアは2020年の秋にアリスさんを日本に招き、虐待親向けプログラム実施者養成講座を開催します。地方での開催も可能ですから、アリスさんを講師に迎えたい方・団体は今から検討のうえご相談ください。

4.DVで離別の別居親と子どもの面会交流での被害者と子ども支援事業

調停や裁判で、加害親を更生プログラムに向かわせる仕組みを、各機関と連携して作る必要があります。面会交流の条件として、まずDVと虐待に対応する集中プログラム(12回ほど)に参加後、監視付き面会交流でチェックし、不適切な子どもへの振る舞いがあった場合は、それ以上の面会交流を認めない、あるいは更生プログラム(52回以上)につなげる仕組み作りと、その関連団体との連携を目指します。

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2)被害女性プログラム

このプログラムは被害にあった女性のみならず、すべての女性がチカラをつけるためのプログラムでもあるので、パートナーがアウェアの加害者プログラムに通っている女性だけでなく、もっと対象を広げて実施する方法を模索します。

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3)デートDV防止教育

DVは親密な関係のふたりが対等・平等でないことから生じる問題です。日本では、ジェンダー不平等が是正されず、2019年のジェンダー・ギャップ指数は153か国中121位で、昨年(2018年は110位)より下がり、悪化しています。何もしなかったらデートDVやDVはますます増えることでしょう。

DVはジェンダー・ベースド・バイオレンス(性役割が基で起こる暴力)です。アウェアのデートDV防止教育は、子どもたちが自分の中のジェンダーと社会のジェンダー不平等の仕組みに気づき、意識と行動を変革することに大きく役立ってきました。若い人たちへの防止(予防)教育がますます必要となっている今、ジェンダーの視点を大切にして組み入れたアウェアのデートDV防止プログラムが社会から求められています。

アウェアは2006年にデートDV防止プログラム・ファシリテーター養成講座を始めました。2、3年前から、各地の認定者の皆さんから「活動を始めて10年経った」とか、「10周年記念の冊子を出すから挨拶文を書いてほしい」などと言われるようになりました。各地に、10年以上やっている仲間がいることはすごいことです。

 

そこで、経験を積んだ認定者が中心になって運営する全国組織団体「アウェアFネット」が設立されることになりました。

1.「アウェアFネット」設立準備会

2018年の金沢でのフォローアップ講座後、メールと手紙と電話などで皆さんによびかけた結果、ぜひやりたいと答えてくれた皆さんが、「アウェアFネット」設立準備会のメンバーになってくれました。メンバーは全国にちらばっていますから、会議はZOOMで行います。

「アウェアFネット」は、アウェアのデートDV防止プログラム及び防止教育の継続と発展のための運営母体となり、今後の運営指針や実行計画と実施方法などを話し合って決める大事な機関となります。

「アウェアFネット」は将来的には、各地で養成講座を開催する人や団体を養成することまで視野に入れて活動する予定ですが、今後のことは準備会メンバーによる話し合いで進めていきます。

 

2.認定者再養成講座

かつてアウェアの養成講座で学び認定も受けたけれど、さまざまな事情でアウェアの継続学習の輪から離れてしまった皆さんに声をかけて、戻ってもらう努力をします。特に東京の認定者が少ないので、受講しやすい形で再トレーニングなどを行い、主に東京の実施者を増やすことを今年の目標とします。

 

3.国や各自治体への働きかけ

アウェアとしては、他団体の力も借りながら、東京都内の自治体に働きかけて、全国でも防止教育が遅れている東京をなんとかしたいと思います。

なお、アウェアも参加している「デートDV防止全国ネットワーク」では、野田聖子議員をはじめ、超党派で国会議員に働きかけて、まずDV防止法に「防止教育をする」という文言と具体策を盛り込む法改正と、防止教育の義務教育化を目指します。

4.2作目のデートDV防止教育ビデオ制作

東京の認定者、宮崎歩詩奈さんが、アウェア2作目のビデオ制作に取り組んでいます。1作目(2006年制作)になかった新しい内容がさまざま盛り込まれた、斬新なビデオになる予定です。皆さん、お楽しみに。

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5)その他の学びの場の提供

アウェア関係者には、さまざまな分野の専門家がいます。例えば、ジェンダー、虐待、面会交流におけるDV被害者支援、LGBTsなど。そういう皆さんの力をお借りして、ZOOMによる各種講座の開催を検討します。

講師はアウェアかZOOMで講演し、受講者もアウェアかZOOMで参加という形です。認定者の皆さん(その他の人たちも含めて)がどこにいても学びたいことが安価で学べる仕組みを作ります。

 

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アウェアは今年も皆さんといっしょにDVと性差別のない社会の実現を目指します。