DV被害女性プログラム

アウェア DV被害女性プログラム 
DV被害者支援のひとつの方法として、加害者プログラムを提供してきたアウェアが、被害にあった女性がDVを見抜くチカラをつけて回復し、自分らしい生き方ができるよう応援するためのDV被害女性のためのプログラムを実施いています。どんな理由があっても、暴力をふるわれていい人はひとりもいません。チカラをつけて自分自身の人生を取り戻しましょう。
参加対象者
 ・パートナーがアウェアの加害者プログラムに参加している女性
 ・DVでつらい思いを抱えている女性(身体への暴力だけがDVではありません)
 ・もしかして私の方がDV加害者ではないかと悩んでいる女性
 ・夫婦にDVの問題はあるけれど、まだ離婚・別居は決断していない女性
 ・夫婦にDVの問題はあるけれど、何とかもう少し夫婦としてがんばってみたいと考えている女性
 ・離婚・別居したけれど、(元)夫と子どもの面会交流の問題を抱えている女性
 ・離婚・別居したけれど、子どもを将来、被害者にも加害者にもさせたくない女性 

講座日程
 日曜グループ:毎月第3週 11時から13時
 火曜グループ:毎月第2週・第4週 11時から13時  (どちらかのグループにお入りください)
場所:アウェア(JR総武線飯田橋駅徒歩4分)
参加費:1回2,000円
 ※パートナーがアウェアの加害者プログラムに参加していない女性には事前に個人面談を受けていただきます。(6,000円)

アウェア DV被害女性プログラム 参加の流れ
 ・パートナーがアウェアの加害者プログラムに参加していない女性
  お問い合わせ→個人面談→プログラム参加
 ・パートナーがアウェアの加害者プログラムに参加している女性
  パートナー面談終了後にすぐにご参加いただけます。

お申込み・お問い合わせはアウェア メール:info@aware.cn
電話:03-6272ー8770

プログラムの内容

力と支配・精神的暴力・感情的暴力・孤立させる・子どもを利用した暴力・特権意識・矮小化・否認・責任転嫁・自己正当化・性的暴力・経済的暴力・虐待の警告サイン・被害者がとどまる理由・子どもに何をすべきか・DVが与える影響・男らしさの箱・女らしさの箱・女性への暴力を生みだすもの・子どもに何をするべきか・Iメッセージ・アサーティブネス・ポジティブなセルフトーク・感情の種類・DV行動のタイプ・ケースで学ぶ・その他多様な教材を用いてプログラムを実施します。

途中からの参加も可能です。
 
お申込み・お問い合わせはアウェア メール:info@aware.cn 電話:03-6272-8770

2018年の実施日をお知らせします。時間はすべて同じです。

DV被害女性プログラム開催日程
【火曜グループ】第2・第4火曜日 11時から13時
2018年
 12月11日(25日はお休みです)

2019年
 1月8日・22日
 2月12日・26日
 3月12日・26日
 4月9日・23日
 5月14日・28日
 6月11日・25日
 7月9日・23日
 8月27日(13日はお休みです)
 9月10日・24日
 10月8日・22日
 11月12日・26日
 12月10日(24日はお休みです)

【日曜グループ】第3日曜日 11時から13時
2018年
 12月16日

2019年
 1月20日
 2月17日
 3月17日
 4月21日
 5月19日
 6月16日
 7月21日
 (8月はお休みです)
 9月8日(第2週目です)
 10月20日
 11月17日
 12月15日

これまでの活動

◆2003年、2005年にカリフォルニアからDV加害者プログラムの草分け的存在であり、全米及びカルフォルニア州のファシリテーターたちの協議会会長のアリス・ラビオレットさんとリトル東京サービスセンターの坂本安子さんをお呼びし、加害者プログラム研修会を開催しました。

◆2008年からはアウェア代表の山口のり子による、DV加害者プログラム研修Ⅰ~Ⅲを実施し、加害者プログラムを各地で実施する人の養成に取り組んでいます。

◆プログラムの参加男性たちが、自分のDV体験とアウェアで気づいたこと・学んだことを話す、一般公開講座を2007年から2010年まで毎年開催しました。

◆2011年以降は一般公開講座「DV防止講座」を年1回ほどのペースで開催し、DV加害者プログラムや
DV被害女性プログラムを紹介しています。

◆デートDV防止教育分野では2006年度から、デートDV防止プログラムのファシリテーター(実施者))の養成講座を開催しています。2006年度は東京と名古屋、2007年度は東京と神戸、2008年度は東京と高知、2009年度は東京と大阪で実施しました。
養成講座で学びアウェアの認定ファシリテーターとなった人が現在200人以上いて、全国各地でアウェアデートDV防止プログラムを実施しています。

◆2006年にはデートDV教材ビデオ「デートDV~相手を尊重する関係をつくる~」を作りました。

◆主に行政からの委託で、デートDV防止啓発パンフレットを制作しています。
これまでに大分県、神奈川県、千葉市、長岡市、宮城県、堺市などのパンフを作りました。

◆2006年にはカルファルニア州への研修旅行を実施しました。

◆2008年はカリフォルニア州DV被害者支援団体協議会の創設者であり元会長、30年のデートDVの臨床経験を持つバリー・レビイさんを、2010年には非暴力の子育て・教育方法を広める活動をしている「エコーセンター」のルース・ビーグルホールさんをお呼びして、講座を開催しました。

アウェアはこれらの活動を通じてDVのない社会作りに貢献しています。

アウェアとは

アウェアとは英語で「気づく」という意味です。
アウェアは2002年よりDVのない社会を目指して活動している民間団体です。
アウェアの活動には3つの柱があります。
カテゴリーの「アウェアの活動」をご覧ください。

1)DV加害者プログラム
毎週2時間52回以上通う男性のためのプログラムです。治療やカウンセリングではなく、グループで行う教育プログラムです。DV被害者支援のひとつの方法として実施します。

2)DV被害女性プログラム
被害にあった女性がDVを見抜いて自分の人生を取り戻すチカラをつけるための月2回のプログラムです。夫やカレがアウェアの加害者プログラムに参加している人や、DVをされているけれど離婚・別居はまだ決断していない人などが対象です。

3)デートDV防止プログラム
DVは大人だけの問題ではありません。若者たちの交際でもおきています。デート相手にするので「デートDV」と呼びます。若者たちがデートDVをする人にもされる人にもならないよう、相手を尊重する、健康で対等な関係をつくるために学ぶプログラムです。

その他の活動

・女性支援の会
DV加害者プログラム参加者のパートナー(妻やカノジョなど)向けに隔月に開催します。
女性たちが回復するようお互いに応援し合う会です。

・DV防止講座
アウェアのDV加害者プログラムや被害女性プログラムについて説明したり、DV加害者プログラ
ムに参加している男性が、自らの体験と気づきを語ったりする一般公開講座です。

・デートDV防止プログラム・ファシリテーター(実施者)養成講座
年に1回東京で実施しています。高校などでプログラムを実践できるよう、基礎からじっくり学べる講座で、前期3日間、後期3日間です。修了した方は、アウェアの認定者としてプログラムを使って防止教育を実施することができます。

・DV加害者プログラム研修会(実施者養成)
研修Ⅰ(3日間)基礎講座、研修Ⅱ(3日間)教材講座、研修Ⅲ(60時間)グループ見学と実習

・講師・ファシリテーターの派遣

・冊子・パンフレットの制作請負

代表:山口のり子
【プロフィール】

差別のない、ひとりひとりの人権が尊重される社会を目指して日本及び海外で活動する。シンガポールではDVやセクシャル・ハラスメント被害者支援、及び裁判支援に関わる。ロサンゼルスではDV加害者プログラムを実施するためのトレーニングを受け、帰国後2002年に「アウェア」を開設してDV加害者向け教育プログラムを始める。2003年に「デートDV」という言葉を日本で初めて使って本を出版し、若者向け防止教育に取り組む。DVとデートDVについて講演・執筆するとともに、プログラム実施者の養成をしている。

〔山口のり子の本〕
*(新刊)『愛を言い訳にする人たち DV加害男性700人の告白』(梨の木舎)
*『愛する、愛される-デートDVをなくす・若者のためのレッスン7』(梨の木舎)
*『デートDV 防止プログラム実施者向けワークブック』(梨の木舎)
*『DV あなた自身を抱きしめて―アメリカの被害者・加害者プログラム』(梨の木舎)
*『海外でつくった!人の輪・仕事の環』(梨の木舎)
*『元気のおすそわけ―暮らしの中のフェミニズム』(太郎次郎社)愛を

共著
*『デートDVをなくすために 理解とサポートの基礎知識』(共著、女も男もNo.113 労働教育センター)

訳本
*『DV・虐待 加害者の実体を知る』(共訳 ランディ・バンクロフト著 明石書店) 
*『恋するまえに デートDVしない・されない 10代のためのガイドブック』
(共訳 バリー・レビィ著 梨の木舎)

アウェアの主張
アウェア代表 山口のり子
 2001年にDV防止法ができてから、社会による被害者支援は少しずつ前進してきました。しかしDV防止法には加害者対策は入っていません。加害者対策はDVをなくすために不可欠です。DV対策にとりくんだ歴史の長い国には、加害者処罰に関する法律が作られています。米国もそのひとつです。カリフォルニア州には強制的逮捕と刑罰代替というふたつの法律があります。強制的逮捕とは、DVの容疑がある場合は、加害者の身柄を拘束することを警察官に義務づける法律です。被害者がけがをしている、家具がひっくり返っている、子どもがひどく怯えているなど、警察官はすべて証拠として使います。ひどい暴力をふるった者や再犯者は起訴されます。過去に犯罪や飲酒運転などの経歴がない場合は、起訴されないこともあります。その代わりに1年間、更正のための教育プログラムに参加することが義務づけられています。これが刑罰代替と呼ばれる法律です。加害者はプログラム受講中と終了後3年間、保護監察局に定期的に通わなければなりません。同州では、強制的逮捕と刑罰代替というふたつの法律ができてはじめて、被害者の安全に役立つ加害者プログラムの仕組みができあがりました。

 アウェアでは、カリフォルニア州認定のプログラムを応用して、男性向けDV加害者向けプログラムを実施しています。参加者は、被害者が家を出るとか、保護命令を申請するといった行動をおこしたことによりショックを受けてなんとかしなければと思った人たちか、妻にアウェアに通って変わるか、離婚だと突きつけられた人たちです。しかし彼らは加害者の中のほんの一握りの人たちです。多くの加害者は、「悪いのは相手だ。自分こそ被害者だ」と考えています。彼らを更生に向かわせるためには法的強制力が必要です。他人に対して行なったら傷害容疑で逮捕されるような暴力行為なのに、相手が妻やガールフレンドだからとか、家庭内のことだからとか、個人的なことだからなどという理由で加害者を逮捕しないのは、被害を受けた女性の人権を軽んじることです。「暴力をふるう者は相手が誰であろうと処罰する」ことを社会が明確にしなければなりません。しかし本人が変わらない限り、処罰だけではまた相手に暴力をふるったり、別の人に対して同じことをしたりするかもしれません。それでは被害者の安全はありません。暴力をふるう者は「自分を変える責任がある」ということを明確にし、加害者プログラムを社会が用意する必要があります。

 DVは大人だけの問題ではありません。若者の間にも起きています。デート相手に
するDVなので「デートDV」と言います。アウェアが2009年10月に発表した若者の意識調査結果では、交際経験のある若い女性の5人に1人、男性が11人に1人、デートDVの被害を経験しています。女性のほうが男性より2.5倍の率で被害にあっています。DV行動のひとつとして、女男ともに相手を束縛していますが、女性が携帯を使った束縛をすることが多い一方で、男性はそのほか、どなったりからだへの暴力をふるったりしておどして束縛する傾向があります。またデートDVに結びつきやすい考え方を多くの若者がもっていることもわかりました。例えば、「男性にセックスを求められたら女性は愛情があるなら少々イヤでも応じるべきだ」とか「数回デートしたら『相手は自分のものだ』と思っていい」という考え方を5人に1人がもっていることがわかりました。男性のほうが女性より、これらの考え方をもっている率が高いです。またデートDVをされたことがある・したことがある人は、体験のない人に比べて、それぞれ2倍、3倍の率でこれらの考え方を支持していることもわかりました。子どもたちが、若者たちが、デートDVやDVの加害者にも被害者にもならないように、私たち大人が防止教育を広げる責任があります。

 DVは社会が生み出している問題です。人々の意識と社会構造が変わらないかぎりDVはなくなりせん。2014年の暮れ、米国のオバマ大統領はテレビで、「アメリカで5人に1人の女性がレイプされたりされそうになったりしています。4人に1人の女性がなんらかのDVを経験しています。こんなことを許してはなりません。女性へのあらゆる暴力を許さない社会をつくるのは、私たち1人1人です」とスピーチしました。
日本の私たちも、1人1人が「自分には関係ない」から「それは自分の問題だ」へと考え方を変えなければなりません。そして、社会の構造を女男平等に変えること、被害者支援をもっと充実させること、若者への防止教育を広げること、加害者対策を社会全体で講じること、それらすべてを進めていかなければなりません。

 DVの本質である「力と支配」は、人間関係の最少単位の夫婦や恋人などにおきますが、大きくは国単位でもおきます。私たちは2015年の夏、国会で安倍政権による「力と支配」をまざまざと見せつけられました。安倍首相がしたことはDV加害者がすることと同じです。国会の答弁では、野党からの質問に対して、はぐらかし、まやかし、うそ、論理のすり替え、開き直りなどを駆使して、誠実な答えも丁寧な説明もしませんでした。これらは、自分は正しいのだから自分が通したいものはどんなことをしてもいい、というDV加害者的態度・行動です。最後には暴力沙汰の強行採決(もどき)までやってのけました。憲法を無視して民主主義と立憲主義を踏みにじったのです。戦争は、国家権力による最悪の形の「力と支配」です。安倍政権のあまりのひどさに、若者を含めておおぜいの人がたちあがりました。私も何度も国会議事堂の前に立ち、声をあげました。次世代には原発も戦争もない、1人1人の人権が大切にされる社会を手渡したいと思います。


参加者男性の面談票等に関する調査・公表へのご理解とご協力のお願い
 アウェア社会ドメスティックバイオレンスの実態や取り組みを啓発し、DVの加害・被害を生み出さない社会の創生に寄与することを目的とし、個人面談で得た情報や加害者プログラムのグループでの発言などの一部を、個人が特定されない形でまとめて社会に公表することがございます。
 ご理解いただきたく、どうぞよろしくお願いいたします。
尚、公表されたくない方は、下記までお申し付けください。
相談先
アウェア 代表 山口のり子
     事務局長 吉祥 眞佐緒
Tel:03-6272-8770
Fax:03-6272-8771
住所は非公表