彼女に試されている:ある日の振り返り⑬

振り返りの男性:
別居中なんですが、最近アウェアでの学びが功を奏して自分の言いたいことよりもパートナーの話をよく聞いたり尊重したりすることができるようになって、ちょくちょくいっしょに食事に行けるようになりました。。先日、ふたりでだいぶ酔うほど飲んで楽しく過ごしていたんですが、ふとパートナーが異性の話をしたんです。以前そのことで浮気を疑って暴力をふるってしまったんです。パートナーが「実は○○さんと最近また会っているんだ」というところは我慢して「うんうん、そうか」と聞いていたんですが、「○○さんと私、深い仲でもいいよね?」と聞かれて僕はブチぎれてしまいました。
「大人同士で深い仲とかいうとエッチな関係に聞こえちゃうけどそうなの?」と聞くと、「そうじゃない」と言うんです。でも、気持ちが抑えきれなくなって、クドクドずっと責めてしまい、泣かれてしまいました。今はいっしょにいられるだけでいいと思っているんですけど、ちょっとしたことで我慢が爆発してしまうんです。今は仏になる修行中なのにと反省しています。

F:「深い仲」という言葉にグループの男性たちがだいぶ反応して、それはひどい!という意見が多く出ました。でも当の本人、「実はパートナーに試されている」というほかの男性の意見に納得していました。

教材は「ストレス対処法」でした。年末にタイムリーな教材だったようです。

答えありきだったということに気づいた: ある日の振り返り⑫

振り返りをした男性:
パートナーが子どもと家を出て別居中です。月に1回うちに来てくれます。夕方までいっしょだけどパートナーはホテルに泊まります。それは仕方ないと思っています。この間、食事中に子どもに「今日パパと寝るか?」と勇気を出して言ったら、子どもが泊まりたいと言ったので、その晩いっしょに寝ることができました。でも、それがパートナーを怒らせてしまいました。パートナーの怒りは収まらないようすで、僕は反省しています。

F:事前に相談したらパートナーからOKが出たかどうか、グループで考えました。

1 事前に相談する=事前に相談したんだから自分の意思を尊重しろ!(今の自分ならそうなる可能性が高いという意見)
2 事前に相談しても絶対にダメと言われるにちがいないから相談しない(これまでにも何度も断られたことがあるから)

この2つの意見にまとまりました。ほかの男性たちからエピソードをいろいろ出してもらって検証した結果、結局彼の行為は、どちらにしても“答えありきだった”ということに行きつきました。

なんでもいいからパートナーより上になるネタを探し出し、優位に立とうとしていた:ある日の振り返り⑪

教材を使っての振り返り

Fより:今日は教材として、6人の若者が出てくるビデオを見ました。
視聴前に他人事として観るのではなく、自分に引き付けて観るように伝えました。

男性たちの感想・気がついたこと:
・パートナーの人権など考えたことがなかった
・人権という言葉は中学校以来聞いたことがない
・自分は差別はしていない

など、はじめは他人事という感じの発言が続きましたが、家庭の中や夫婦間ではどういう差別があるかを考えるように言ったら、人より上になる、人より優位な立場になることで得られるウマミについて話が広がりました。

例えば、
・なんでもいいからパートナーより上になるネタを探し出し、優位に立とうとしていた
・それは収入、学歴、体格、身長、筋力、社会的立場、親の立場、社会経験、成績などなんでもよかった
・パートナーより上の立場にいればあらゆることを免除され、あらゆる権利が得られた
・相手からあらゆる権利を奪ってきたことに気がついた

などの意見が出ました。

まだ彼女を家に縛り付けようとしていた:ある日の振り返り⑩

振り返りの人:
 別居中のパートナーと電話で話しているとき「君が趣味を楽しめるのは家族のおかげ」と言ったことでパートナー―を怒らせてしまいました。何が悪いのかわからないし、いまだに家族のおかげ、俺のおかげだと思っています。何が悪かったのか教えてほしいです。

グループの男性たちの反応:
・一般的には家族のおかげだといってもいいかもしれないけれど、自分たちは一般的な人ではないと考えなければならないと思います。

パートナーの趣味活動は下の子どもが高校を卒業してから始めたものだと分かってからの反応:
・彼女はやりたいことをずっと我慢してきたのではないでしょうか?
・自分たちはやりたいことがやれているのに、パートナーはやれていなかったんですよ、きっと。
・家族のおかげではなく”俺のおかげ”と言いたいだけだったのではないですか?
・そこまで母親としてがんばってきたのだから、母親を卒業させてあげてはどうですか?
・パートナーの笑顔が僕たちの喜びと考えたらどうでしょう?

振り返りをした男性:
 今は別居となってしまったけれど、本当はいっしょにいてくれるだけでありがたいと思わなくてはならなかったです。まだ彼女を家に縛ろうとしていたことに気づきました。こういう考えをやめなければ、同居には戻れないんだということがわかりました。

暴力のトラウマを解消できないのは妻のせい:ある日の振り返り⑨

振り返りの人:
 52回のプログラムに20回以上通ったので、そろそろアウェアを”卒業”した後の2人の生活をどうするか考えようと切り出して、パートナーと”口論”しました。僕の提案は、アウェア卒業後 ➀同居に戻る ➁離婚する、かのどちらかでした。
パートナーは ➂このままの生活を続ける、の選択肢も入れてくれと言うので僕は頭にきてしまいました。
 僕は一生懸命アウェアに通っているので、暴力のトラウマを解消できないのはパートナーの責任もあると思うと言ったらパートナーが急に怒り出しました。自分のどこが悪いのかわからりません。今回ばかりは、急に怒り出したパートナーに問題があると思うんですが、皆さんのご意見を聞かせてください。。

グループの男性たち:
Aさん:52回で卒業ということ自体、ありえないですよ。私はパートナーに52回で卒業と言うのは自分ルールだ!と言われています。
Bさん:だれのせいでアウェアに来ているか考えれば自然と答えが見えてくるんじゃないですか?
Cさん:何を焦っているんですか?
といった質問に対して振り返りをした男性は「確かに52回で答えを出したいと思っていたので、半分過ぎてしまい焦っていました。自分ばかりが頑張っている感覚があり、認めてほしかった、がんばってるねと言われたかったんだと思います」と降り返りました。

Fの報告:
 このような意見や質問のほか、先が見えないツラさについて共感の意見も出ました。そしてこのグループには、一生アウェアに行けとパートナーに言われている人が10人中4人いることがわかりました。そのひとりが「子どもが成人するまであと15年アウェアに来ることになっているので、あと900回です」と言うとみんなから笑いとため息が漏れました。
 アウェアの簡単な集計では、パートナーの承諾がありアウェアを卒業した人の平均在籍期間は3年くらいだと伝えました。それに対しては次のような発言がありました。
Dさん:
3年通ってから卒業の話をします。今の段階ではそれを話題にする資格がないし、そういうことを話すこと自体がDVなんだとパンチをくらった気がします。

今日の振り返りから、“アウェアに通う意味”について話しあいました。
意見・反面教師
  ・覚悟をつける
  ・お互いに意見するたいせつさ
  ・指摘してもらえるありがたさ
  ・パートナーの気持ちがわかるようになった
  ・お父さん世代の意見が聞ける
  ・人(グループの仲間)の心配ができるようになった
  ・他の人の考え方を知ることができて衝撃だった
  ・頭ではわかることを行動に移す訓練
  など、いろいろ出ました。