アウェアのデートDV防止プログラム

*基本は90分ですが柔軟な対応が可能です。
*たいへん充実した内容です。
*これからの社会で求められる人を育成する「性の平等教育」です。

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プログラムのねらい

アウェアのデートDV防止プログラムは、子どもたちが DV をする人にもされる人にも、傍観者にもならないために学ぶものです。プログラムは次のようなことをねらいとします。
1)子どもたちが「デート DV」とは何か、なぜおこるのか、その要因について理解する
2)デート DV も、それをおこす要因も、他人ごとではなく自分ごとであることに気づく
3)相手を尊重することの大切さと、尊重するにはどうすればいいかを具体的に学ぶ
4)対等・平等で、尊重のある関係を作りたいし、それができるという気持ちを持つ

プログラムの内容とポイント

プログラムは次のようなポイントを子どもたちが理解するような構成になっています。

1)デートDVとは何かを理解する

① 意識チェックとその目的(意識チェックは事前学習として実施することも効果的)
a.DVは自分の問題だと気づく b.自分の思い込みに気づく
② デートDVはおとなの DV と同じである
③ DV はジェンダーに基づく暴力(GBV)で、その構造は「力と支配」である
④ 「人権侵害」「犯罪」に当たる行為である
⑤ DVは性に関係なく(LGBTQ +の間でも)親密な関係でおこる
⑥ 被害の実態を知る→加害者は男性が多い→男性を責めるのではなく、その理由を正しく理解して自分自身のジェンダー規範に敏感になる
⑦ 暴力の種類 身体的なものだけではないことを理解する
⑧ DVの事例を通して、デートDVへの理解を深める
事例の提示方法
a.ビデオを見せる b. 事例を読む c. 体験を話す(話し方に要注意)
⑨同意のない性行為は暴力である
一度セックスをした関係でも毎回、性的同意が必要で、セックスをしたい側(行動をおこす側)が相手の同意をとる必要がある

2)DVをおこす要因に気づいてやめる(unlearn 学び落とす)

わたしたちは、周り(家庭、学校、社会制度・慣習、メディアなど)から重層的に DV に繋がりが
ちな危険な価値観を学んで身につけている
①力と支配 力を利用して人をコントロールすること
a.社会 b.地域社会 c.家庭(身近なもの)
②暴力容認 暴力を軽く考えること
a.社会にあふれる暴力的表現
b.身近な暴力体験
c.男性が暴力的なことが見逃され、奨励される
d.条件つきで暴力を許す意識
③ジェンダー規範(社会が規定する女らしさ/男らしさ、性別役割)
a.誰もがもっている
b.自分がもっていることに気づいていない
c.男女の力の差を生み出す 社会的/個人的
d.男女の役割意識につながる →支配・被支配の関係に結びつきやすい
*自分にもこのような意識(価値観)のあることに気づくことが重要

なお、クイズ/ロールプレイ/グループワークをしますが、次のような目的があります。
a.「力と支配」や「ジェンダー規範」などを実感したり、学んだことをより深く理解するために行う
b. 身近な問題として話し合うことで確認したり、発見したりする

3)新しく学ぶ(re-learn)

①ジェンダーに敏感になること
a. 社会や自分の中にあるジェンダー規範に気づく
b. ジェンダー規範にとらわれず、「自分」を大切にする
c. 相手にジェンダー規範を押しつけない
②尊重すること
a. 相手を自分と対等・平等な人として見る
b. 自己決定権、性的自己決定(性的同意とは何か、その大切さ)
c. 考え方(価値観)の違いを勝ち負けや優劣ではなく「違い」としてとらえる
③共感 相手の気持ちを思いやる
④国連のSDGsと世界がめざす「ジェンダー平等」について知る

4)自分とまわりに気づく

① 行動のチェックリスト
具体的に気づくためのもの。ひとりでも、友だちといっしょにやってもいい
② 友だちヘのサポート(デートDVをしている人へ/されている人へ)

到達目標

① 意識と行動を変えることで、将来デートDVをする人にも、される人にもならない
② 傍観者にならない。加害者に気づきを促し、被害者をサポートする人になる
③ ジェンダーに「アウェア」(気づく)になり、ジェンダー平等社会をめざす人になる
④ 家や地域でおこっている暴力などに気づき、周りにいい影響を与えられる人になる
⑤ 尊重しあう健康な関係を、自分が望めばつくれるという希望をもつ