先日、NPO法人全国女性シェルターネットから「配偶者への性暴力」の問題を取り上げて声明文が出されましたが、今、ヤフーニュースで「配偶者への性暴力」が話題になっています。パンドラの箱を開けたのはNPO法人女性と子ども支援センターウィメンズネット・こうべの代表理事である正井禮子さんです。
正井さんとアウェア代表山口のり子からのメッセージです。
<正井禮子さんから>
長年DV被害者支援活動を通して配偶者間の性暴力のひどさに心を痛めてきましたが、2月15日の全国女性シェルターネットの声明文を読み、やっと社会に向けてひどい実態を知ってもらえるようになったとほっとしました。
この声明文についてメディアの女性たちに伝えたら、毎日新聞の神戸の記者が以下の記事を書き、ヤフーニュースにも紹介されました。このような理不尽な暴力を根絶していくために、不同意性交罪に配偶者間性暴力を含めて欲しいです。そもそも、欧米のようにDVを刑法犯罪にしてもらいたいと思っています。
そこで、ヤフーニュースを一人でも多くの国会議員や内閣府男女共同参画課の皆様や厚労省のDV担当課の方たちにぜひ読んで頂きたいと思っています。
感想が1770通、勇気づけられる声が非常に多く、当事者からの声も多数寄せられています。このように被害当事者の声に触れることは、シェルター関係者の他には、あまりないことだと思いますで、ぜひ読んでいただければその困難さをご理解いただけるのではと思った次第です。
皆様の知人、関係団体や特に国会議員の皆様や国の関係機関に以下の情報案内していただけたら幸いです。よろしくお願いします。
ヤフーニュース <声をつないで>「銭湯行けない」深い心の傷 支援団体代表が語る性的DVの実態
3/14(日) 14:00配信 をぜひ読んで下さい。現在、1770人の声が寄せられ、その声に勇気づけられます。また、過去、現在、夫からの性暴力に苦しんでいる女性たちからの声も多数あります。長年、DV被害女性の支援を続けてきて、配偶者間の性暴力の酷さ、その心身への深刻な影響を見てきました。たとえ離婚しても、その回復には長い年月がかかり、生活再建や子育ても非常に困難な状況があります。配偶者間の性暴力は日常的に繰り返されるレイプです。「妻だったら拒否できたはず・・・」は司法関係者の無理解を露呈しています。
このような現状を変えるには、ジェンダー平等教育を小学校から高校まで義務教育として実施するしかないと思います。また、大學教育の現場でジェンダー平等を選択科目ではなく、必須科目にする。なかでも、大学の法学部ではジェンダー法学を必須科目にしてもらいたいです。
今も、閉ざされた家庭の中で、毎晩、性暴力に苦しんでいる女性たちが数多く存在しています。この現状を早急に変えていきたいと強く願っています。
<山口のり子から>
正井さん、よくぞパンドラの箱を開けてくれました。やっと、やっと、本格的に性暴力に光が当てられるようになりましたね。
私もずっと気になっていました。アウェアに来るDV加害男性たちが、次のような性暴力をしていることをグループの中でだんだん話すようになるからです。
DVしたあと仲直りのつもりでセックスすることを求める、相手が寝ているときにセックスを始める、相手がしたがらないのにセックスを無理強いする、セックスに応じないと冷たくしたり不きげんになる(不機嫌の「嫌」は女性差別漢字なので使いません)、いやがるのにポルノを見せる、避妊に協力しない、セックスに応じないと浮気する、風俗へ行くなどと言って脅す、あるいはそうする など
イギリスや北欧では同意のない性行為は犯罪という法律まで作られている時代なのに、今の日本でDV加害者プログラムに来る彼ら(だけでなく多くの男性)には、妻の性的同意が要るなんて概念はこれっぽっちもありません。
一方、女性たちも面談では性被害については語りません。相手にされたことが性暴力という自覚がない、自分が悪いと思い込んでいる、性暴力だったという自覚はあるけど認めたくない・話したくない、からです。
でも、先日の女性グループで、夫婦間でも性的同意が必要だということを話題にして、イギリスの警察が作った動画「紅茶と同意」を見てもらったら、被害体験を語ってくれるようになりました。夫婦の寝室で、ジェンダー不平等の極みの営みが行われています。
日本政府には、ジェンダーギャップ指数121位という無残な現状を変えるためには、スポーツといっしょにするような省ではなく、すべての省の上にたつ「ジェンダー平等省」を作って本気で取り組め、と言いたいです。
今「ジェンダー平等を!」の大きな声を挙げずしていつ言うのでしょうか。イギリスやオーストラリアなどでも「女性への暴力」に「NO」という大きな声が今挙がっています。世界の女性たちとつながり、北京で起きたような「女性への暴力撲滅」の大きなうねりを作り出しましょう!