他者の前でパートナーを従わせることで、家長は自分であることを知らしめるんです:教材を使っての振り返り㉖

F(ファシリテーター):なぜ自分の親を優先するのかという教材の設問に対して、“自分の親を大切にするのは当たり前”という意見で終わってしまわないよう、その裏にある考えを探ってもらいました。そうしたら次のような本音が出ました。

・自分が家族を取りまとめていることを親や親戚に誇示したい。
・よい息子を演じることで自己満足を味わう。
・他者の前でパートナーを従わせることで、家長は自分であることを知らしめる。 

他の設問では、「子どもが遊びから自分をなかなか解放してくれないときに、わざと泣かせたり、怖がらせてパートナーのほうに行くように仕向けている」という発言が出ました。それに対しては「それはコントロール(支配)に当たるのではないか?」という意見が出ました。発言者は、まったくそれに気づいていませんでした。

また、子どもの要求に“NO”を言わないようにしている、という発言があったので、子どもに“NO”を言わないことのメリットとデメリットを考えてもらいました。

結局、自分たちの言動は自己中心的な考えを基にしたもので、相手をコントロールしようとする特権意識の表れだという意見が出たところで、ちょうど時間となりました。