葉物野菜を小さいボールで洗ったら文句言われてキレました:ある日の振り返り㉛

振り返り:葉物野菜を小さいボールで洗ったら、もっと大きいので洗ってと言われました。小さいのがなぜ悪い、最近の葉は泥なんかほとんどついていないはずだ、とつい怒りをあらわにして言ってしまいました。とにかくタイムアウトを取るタイミングが遅かったと思います。

この振り返りに対するグループの男性たちのコメント
・知識で対抗するのは間違いです。
・泥はついています。
・大きいボールでと言われたら大きいボールを使えばいいんです。

普段は相手の話を聞かないのに、口論になったときはしっかり話を聞き、頭をフル回転させ て上げ足を取りました。:教材「口論するときの自分の手口」を使っての振り返り㉚

F:パートナーと口論になったときどんなことをしたか話してください。
・普段はあまり話を聞かないのに、口論になったときはしっかり話を聞き、頭をフル回転させ
て上げ足を取りました。
・負けそうになったら、身体的暴力をしました。
・相手を部屋から出て行かさないようリビングのドアを閉めて、戦場を作りました。たいてい身体的暴力を振るっていました。
・相手がまともなことを言うと感じたときは、話をあまり聞かないようにして、身体的暴力で締めくくっていました。

F:なぜそうした(する)んですか?
・相手にとにかく勝ちたかった
・負けたくなかった
・相手の意見ややり方を認めると、自分が上にいられなくなるからいやだ
・自分が正しいことを証明したい

F:では、口論になりそうなときDVを避けるためにできることはなんですか?
・勝とうとしても何もならないと自分に言い聞かせる
・自分の考えに固執しないこと
・責められていると思わない
・問題を広げない。今話し合っていることにフォーカスすること
・相手を攻撃しないこと。闘いではないと肝に命じること。
・問題解決のための話し合いなんだから、感情を持ち出さない
・相手やものごとを決めつけない
・客観的な眼を持つ
・歩み寄る態度を取る  

F:頭ではわかるんですね。でも実行しないことには…。

だれに食わせてもらってんだ!面会交流でパパとママゴトしている5歳の女の子がパパに言いました

DV夫に子どもを会わせなければならなくて悩んでいる被害女性のために、面会交流支援をする団体の人からこんなことを聞きました。その団体が用意した場所で、監視付き面会交流中、男性が5歳の娘に、食卓でご飯を食べるママゴトをいっしょにするようねだられました。しばらくふたりで食べるふりしてなにかやりとりしているうちに、娘が突然「だれに食わせてもらってると思ってんだ!」と言ったのです。5歳の女の子はその意味はわからないけれど、何度も聞いたセリフで、頭の中にしっかり入っていたのでしょう。男性はびっくりして、チラっと監視している人を見たそうです。それで何か気づいてアウェアのDV加害者プログラムに来たら歓迎したいけど、来ませんでした。

皆のまえで、僕の話長い?怒ってる?と聞きました:ある日の振り返り㉘

振り返りをした男性:親が集まる会にパートナーと出かけました。コメントする番が回ってきたとき、私はつい長くしゃべってしまったので、途中で漫才のように〇〇さん(妻)に「話が長い?、怒ってる?」と振り、そのまま続けて話を終えました。数日後、〇〇さんに「人前であんなふうに聞くと、私がいつも怒っているかのように思われるでしょ」と言われました。何も考えずに言った言葉が、〇〇さんを傷つけていたことに気づきました。今後アウェアに通うのをどうするか思案中でしたが、今回の件があり、〇〇さんにまだ通わせてほしいと伝えました。今後は、月1回のペースで通い続けたいと思っています。

グループの仲間たちから:
・対等平等の関係であれば、特に気に留めなくてもいい事柄でも、DVをしてきた者にとっては、何を言うかはとても重要だと思う。
・意図的に言ったわけでなくても、相手に対しての考えが及ばないことはありがちで、そこからドツボにはまっていく。
・“傷つけないよう“にと言う気持ちから相手と接することを避けるようになりがちで、関係がますます遠くなってしまったと反省している。
・やることなすこと、裏目に出る。今後どうしていいかわからない。
・中途半端に終わらず、やり続けることが大切。よい言葉(けっして見下さず、褒めたり、認めたり、感謝したりする言葉)を使うことで怒る人はいないので、とにかくやってみたら。
・自分が自己中心的な視点から抜け出ていないことに気づいた。暴力をしたくないので、逃げている自分に気づいている。パートナーが傷ついていることを忘れがちになるので、パートナーの気持ちにフォーカスする訓練をしていきたい。
・パートナーの心の状態が見えないので、自分だけが努力しているように感じてしまうことがある。パートナーが傷ついていることを意識すること、自分が傷つけてしまったことを忘れないようにしないといけない。
・どうしていいかわからないときは、初心に戻ってアウェアに来る目的は何なのかを明確にするとモチベーションも出てくる。

Fから
・第三者がいる席で、場を盛り上げようと“身近な人を下にして笑いを取る“ということをやったことがある人がどのくらいいるか聞いたら全員でした。そこから得られるものは何なのか?どうしてそうしてもいいと思ったのかを考えてもらいました。そうしたら自分をよく見せようと思ってやったが、結果的には逆効果になっていることに皆が気づきました。“ボケと突っ込み“などの文化があるという意見もありましたが、それは信頼というベースと、笑いを取ると言う目的があり、打ち合わせがあってのこと。それは親密な関係で特に必要ではないという意見も出ました。
      

自分の非を認めないし、見下しの見方が変わっていません:ある日の振り返り㉗

振り返りをした男性:
姉の家族と食事をする機会があったとき、姉の夫が単身赴任をしていることを自分が家族に伝えていなかったことが発覚してしまいました。そのときに素直に非を認められず「そんなの興味ないよね?」と言ってしまいました。また、姉が私の仕事について聞いてきたとき、そんなことも知らないの?というような言い方で姉を小バカにしてしまいました。言ってから「しまった!」と思ったけど黙っていました。

1週間後にパートナーにそのことを指摘されました。姉には謝罪のメールを送りましたが、パートナーに言われないとそういう行動がとれない自分を情けなく思いました。自分の非を認めないし、見下しの見方が変わっていないんだと思います。

F:この振り返りに対してグループから次のような投げかけがありました。
・親しい人に自分が物知りでえらいというふうに見せたい気持ちがあるのでは?
・なんで見下したのかを掘り下げる必要があるのでは?
・ベテラン(長く通っている)というだけで、めったに参加しないからダメなのでは?

F(ファシリテーター:プログラム実施者):1週間そのことを言わずにいたパートナーの気持ちを考えてもらいましたが、この男性は、同居でも家庭内別居状態で顔を合わせる機会がないのを理由にしたり、いくら考えても答えは相手に聞かないとわからないと言って逃げたりして、自分勝手に納得してしまう傾向があるように思いました。この男性は、以前にも似たような形でパートナーから指摘を受ける事件がありましたが、そのときに、また同じような場面があったらどうするか、よく考えて取り組んでいませんでした。それで、このような自分自身の問題にどのように向き合い、どうするかよく考えて来て、次回みんなに報告することを宿題にしました。

他者の前でパートナーを従わせることで、家長は自分であることを知らしめるんです:教材を使っての振り返り㉖

F(ファシリテーター):なぜ自分の親を優先するのかという教材の設問に対して、“自分の親を大切にするのは当たり前”という意見で終わってしまわないよう、その裏にある考えを探ってもらいました。そうしたら次のような本音が出ました。

・自分が家族を取りまとめていることを親や親戚に誇示したい。
・よい息子を演じることで自己満足を味わう。
・他者の前でパートナーを従わせることで、家長は自分であることを知らしめる。 

他の設問では、「子どもが遊びから自分をなかなか解放してくれないときに、わざと泣かせたり、怖がらせてパートナーのほうに行くように仕向けている」という発言が出ました。それに対しては「それはコントロール(支配)に当たるのではないか?」という意見が出ました。発言者は、まったくそれに気づいていませんでした。

また、子どもの要求に“NO”を言わないようにしている、という発言があったので、子どもに“NO”を言わないことのメリットとデメリットを考えてもらいました。

結局、自分たちの言動は自己中心的な考えを基にしたもので、相手をコントロールしようとする特権意識の表れだという意見が出たところで、ちょうど時間となりました。
 
 

相手に対する不満を記録することから始めました:ある日の振り返り㉕

振り返りをした男性:
不満を記録することから始めました。不満が山のようにあり自分でもびっくりしました。多いときは5分間に3個あり、アウェアに来てもまったく減っていないことに気づきました。記録をつけたら、自分の中にパターンがあり、自分のことしか考えていないことがわかりました。DVしたにもかかわらず、離れずにいっしょにいてくれたパートナーに感謝したいと思います。引き続き記録していきたいです。 

グループからのコメント:
・不満のレベルを記録するとよいのではないか。
・相手の気持ちにフォーカスする。
・Iメッセージ(相手を攻撃せず、自分の気持ちを率直にオープンにいう)が攻撃にならないように気をつける。
(この意見に対しては)
・自分の気持ちをいうのはもっと後回しにしたほうがいい。不満をもっているうちは何を言っても攻撃になる。

「説明責任」を書きました。皆さんご意見を:ある日の振り返り㉔

Fから:長いこと参加している人が「説明責任」を書いてきてグループにシェアしました。

「説明責任」を果たす(書く)とは、自分のしたDV行為の詳細を思い出して書き、どうやってしたか、なぜしたかをはじめ、責任はすべて自分にあること、相手に与えたダメージ、相手の気持ちへの共感、謝罪、償い(賠償)、誓い、などについて書くことです。
気づきを重ねて変わったと見える人にアウェアから勧める作業です。

参加者は、久しぶり、または、初めて“説明責任“を聞くということで、興味津々でいろいろなコメントや質問が出ました。

・暴力に至った背景も書いたほうが良いのでは?
・これからしないためにどうしたらいいと思っているか? 
⇒アウェアに定期的に通い続けること
・新しいパートナーにどのくらいシェアしているのか?
⇒DVや前の人との離婚、その経緯等は話している。取り組んだこと等についての細かいところはおいおい話すつもりでいる。アウェアには引き続き通うことも話してある。
・親、きょうだい、親せき、友人へのカミングアウトの範囲はどのようにして決めたのか?
⇒元パートナーサイドの両親へは別れる前に話した。自分の方は親しい間柄の人に話をした。暴力がひどかったので、話を途中で遮られることもあったが最後まできちんと聞いてもらえた。特に関係が悪くなった人はいない。
・DVの基は何だったのか?
・“覚悟を決める”と言うことが凄いと思った。覚悟を決めるきっかけになったのはどんなことか?
・ほぼ同時期に入ったのに、差がついてしまい、自分がとても小さく思えた。
・〇〇さんのやり方を自分も今後取り入れて行こうと思った。とても参考になった。まずは、セルフトーク(怒りがわいたときの自分への前向きな語りかけ)がすぐに出てくるように身につけたい。
・自分も今年はカミングアウトをしていこうと思う。まずは、自分の親、きょうだいから始めようと思う。パートナーサイドは、彼女の意見を聞いてから決めていこうと思う。

Fから:
書いてあることは基本的なことが多いが、それを着実に実行している人に変化があるのだと
改めて感じた、と言う参加者が多かったです。

不満を言う癖がなおっていないんです。精神的暴力だと言われました:ある日の振り返り㉓

振り返りをした男性:
長女家族が泊まりに来る準備でパートナーが忙しそうだったので、昼食に味噌ラーメンを仕方なく作りました。それはパートナーが買った物だったので、「お前が買ったのに作らないからって俺が作るのかよ!」と言ってしまいました。パートナーに「それは精神的暴力だ」と言われました。不満を言う癖がなおっていないんです。
 
グループの男性たちが次のような質問をしました。
・そう言ってしまった裏にはどんな考え方があるのですか?
・家事をやってやっている感がどこかにあるのではないですか?
・パートナーが食べたい物を作って喜ばせると言う考え方はできないんですか?

Fから:
DVは、不平等なジェンダー(性別役割)が基でおきる暴力(からだへの暴力だけではない)だということが、他の男性たちにもよくわかる典型的なケースです。ちなみにこの男性は退職した60代です。

家事・育児については彼女への甘えがあり、こんなにやってるんだからいいだろ、という考えがすぐ出てくる:ある日の振り返り㉒

振り返りをした男性:
先日朝起きるのが遅くなり、出かけるまでの準備が押してしまいまし
た。できなかった家事を出がけにパートナーにお願いしたところ、
「何で?」と言われて口論になりました。その日、家に帰って話し合
いをもったんですが、「あなたは何も変わっていない!」と言われて
再び口論になってしまいました。

自分の中にパートナーに対する甘えがあり、こんなにやっているのだ
から“いいだろう“という考えがすぐに出てくる傾向があることに気づ
きました。パートナーのリクエストで口論を録音することになってい
るので、それを聞いて反省する予定でいます。

この振り返りに対しグループからは次のようなコメントがありました。
・録音を“どっちが正しい”と言う材料に使わないよう気をつけたほう
 がいいですよ。
・発言に“育児の半分は自分の責任”というのがよく出てきますが、本
 当に半分やっているんでしょうか?
・家事はパートナーがかなりやっていそうだから、育児は半分ではな
 くダブルでやる、つまり自分のほうがもっとやるぐらいに考えるほ
 うがいいのではないでしょうか?

F:同じようなことが再び起こる可能性が大きいので、対策を考えて
次回また報告してもらうことになりました。家事・育児の責任を担う
のは、男性たちにとって、とてもとても難しいことのようです。
働く女性たちは半分どころかほとんどを、毎日必死でやっているんで
すけどね。