DVする人は不安なんだ。なぜ自分がDVしたか腑に落ちた:ある日の振り返り㉝

ファシリテーター(F)の報告:
加害男性のグループに被害にあった女性に来ていただき、体験を語ってもらうことがあります。この日は女性の話を聞いて話し合うのに2時間使いました。
まずFから聞き方の注意点を男性たちに伝えました。

被害者が話す加害者については:
・その人がしたDVと自分のしたDVを比べて、自分のDVを矮小化しないこと。(俺はそんなひどいことはしていない、など)
・その加害者と自分との共通点は何かを考える

被害者については:
・その人の体験(DVされてどうなったか、どんな気持ちだったかなど)を、自分のパートナーと重ねて考えながら聞くことで、パートナーへの共感力を高める

男性たちの反応:
・話をうかがい、自分がまだ同居していたら、今頃は警察沙汰になっていたと思いました。冷や汗が出ました。(真剣な面もちで)
・DVする人は不安なんですね。なぜ自分がDVしてきたか腑に落ちました。違いを認めない自分がいたんです。
・パートナーと話すたびに、自分が想像もしなかったことを聞かされます。自分はパートナーのことを知ろうとも、わかろうともしていなかったのだと思います。DVによるお子さんたちへの影響はなにかありましたか?
・私のパートナーは最近、来ると泊まっていくようになりました。(さりげなくうまくいってることをアピールしている)
・自分の場合は‥‥(すぐ被害者になってしまう。頭が自分のことで精一杯の様子)
・私には、彼(女性の元夫であるDV加害者)がまったく理解できません。(彼と自分を比較して自分のほうが「ずっとまし」というアピールをしている)
・あなたは相手に感謝することはないんですか?(びっくりするような質問をする。いくら参加2回目だとしてもその重症さに参加者全員苦笑する。)

F:女性が被害をしっかり伝えてくれたので、参加者は自分を基準にやってきたことなどいろいろ考えることができたと思います。研修生(加害者プログラムのファシリテーターを目指して研修中)の女性は、女性の立場で代弁してくれました。